
村松潤一プロフィール
・東北大学大学院経済学研究科博士課程後期修了、博士(経営学)。
・広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻教授、広島大学マネジメント研究センター長、NNPO法人グローバルマネジメント研究センター理事長等を経て、現在、岐阜聖徳学園大学経済情報学部教授、広島大学名誉教授。
・日本マーケティング学会評議員及び価値共創型マーケティング研究会リーダー、アジア市場経済学会グローバルアジア研究センター長


研究内容

研究内容 1.
プロセスとして捉えるサービス概念に依拠し、市場を超え、生活世界で展開する新しいマーケティング(価値共創マーケティング)の理論的体系化と実践方法の確立。
研究内容 2.
サービス社会/人間中心社会における企業と顧客の行動原理の解明。
書籍等出版物
ケースで学ぶ 価値共創マーケティングの展開
村松潤一, 藤岡芳郎, 今村一真(担当:共編者(共編著者), 範囲:第1章 価値共創マーケティングとは何か)
同文舘出版 2020年8月
サービス社会のマネジメント
村松 潤一, 山口 隆久編著
同文舘出版 2018年 (ISBN: 9784495649418)
ケースブック価値共創とマーケティング論
村松 潤一編著
同文舘出版 2016年 (ISBN: 9784495648213)
価値共創とマーケティング論
村松 潤一編著
同文舘出版 2015年 (ISBN: 9784495647414)
ベーシック流通論
井上 崇通, 村松 潤一編著
同文舘出版 2015年 (ISBN: 9784495647513)
連携による知の創造-社会人大学院の新たな試み-
白桃書房 2014年 (ISBN: 9784561266327)
中国における日系企業の経営
村松 潤一編著
白桃書房 2012年 (ISBN: 9784561265863)
経営品質科学の研究-企業活動のクォリティを科学する
中央経済社 2011年 (ISBN: 9784502689406)
流通論
村松 幸広, 井上 崇通, 村松 潤一編著
同文舘出版 2010年 (ISBN: 9784495643010)
サービスドミナントロジック : マーケティング研究への新たな視座
井上 崇通, 村松 潤一編著
同文舘出版 2010年 (ISBN: 9784495642914)
顧客起点のマーケティングシステム
村松 潤一編著
同文舘出版 2010年 (ISBN: 9784495643119)
コーポレート・マーケティング : 市場創造と企業システムの構築
村松 潤一
同文舘出版 2009年 (ISBN: 9784495642518)
戦略としてのマーケティング
Kumar Nirmalya, 井上 崇通, 村松 潤一監訳
同友館 2008年 (ISBN: 9784496044090)
スマート・シンクロナイゼーション-eビジネスとSCMによる二重の情報共有
山下 洋史, 村田 潔編著
同文舘 2006年 (ISBN: 9784495374815)
現代中国の流通
松江宏編著
同文舘出版 2005年
基本マーケティング用語辞典 新版
白桃書房 2004年
現代経営と社会
八千代出版 2004年
戦略的マーケティングの新展開ー経営戦略との関係 第二版
村松潤一
同文舘出版 2002年
商学概論
晃洋書房 2001年
現代マーケティング論
創成社 2001年
新版 店舗・立地の戦略と診断
同友館 2001年
現代流通論
同文舘出版 2001年
店舗・立地の戦略と診断
石居 正雄, 村松 潤一, 武塙 修
同友館 2001年 (ISBN: 4496031183)
現代中国の消費と流通
松江 宏, 奥野 博幸, 村松 幸広, 秋山 憲治, 井上 崇通, 村松 潤一, 謝 憲文, 瞿 暁華, 陳 立平, 范 文勝
愛大経営総合科学研究所 1999年
最新商学総論-商業・流通の時代的課題
中央経済社 1995年
基本マーケティング用語辞典
白桃書房 1995年
店舗・立地の戦略と診断
石居 正雄, 村松 潤一, 武塙 修
同友館 1994年 (ISBN: 4496020734)
サービス産業と国際化
松江 宏, 秋山 憲治, 村松 潤一, 謝 憲文, 村松 幸広
愛大経営総合科学研究所 1994年
戦略的マーケティングの新展開-マーケティング・コーポレーションの創造
村松 潤一
同文舘出版 1994年 (ISBN: 4495632817)
現代流通の新展開
松江 宏, 秋山 憲治, 村松 幸広, 井上 崇通, 村松 潤一, 謝 憲文
同文舘出版 1994年 (ISBN: 4495632914)
経営管理論の歴史と思想
日本経済評論社 1992年
マーケティング計画
文眞堂 1991年
商業診断事例
日本能率協会 1990年
現代マーケティングと消費者行動
創成社 1989年


価値共創システム研究所
副所長 藤岡芳郎
4月1日付、価値共創システム研究所副所長に藤岡芳郎(前大阪産業大学)が就任しました。
プロフィール
1979年3月 慶応義塾大学法学部法律学科卒業
2006年3月 広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻前期博士課程修了(修士マネジメント)
2009年3月 広島大学大学院社会科学研究科マネジメント専攻後期博士課程修了(博士マネジメント)
2010年4月 広島大学大学院社会科学研究科マネジメント研究センター特任教授(2013年3月まで)
2013年4月 大阪産業大学経営学部商学科教授(2025年3月退職(定年))
2013年4月 大阪産業大学大学院経営・流通学研究科教授(2025年3月退職(定年))
2025年4月 畿央大学客員教授
研究内容
価値共創マーケティングの考え方は中小企業の支援や地域活性化に適用できると考えて研究しています。価値共創マーケティングの実行を支えるのが価値共創型企業システムです。そのための主要概念やプロセスは村松編著(2025)『価値共創マーケティングの深化』同文舘出版の第8章に記載しています。そして、価値共創マーケティングの考え方で実行する中小企業や地域では大きな成果が出現しています。2020年からのアクションリサーチで研究しながら得られた知見を定期的に発表しています。
(以下第7章より)価値共創マーケティングをマネジメントするためには企業は顧客が決める文脈価値/利用価値の文脈をマネジメントします。そのプロセスを4Cアプローチでマネジメントします。
①Contact(接点)
顧客との間にどのように(な)接点を構築するか、これを顧客接点マネジメントといいます。
②Communication(コミュニケーション)
顧客とどのように(な)相互作用的なコミュニケーションを取るか、これをコミュニケーションマネジメントといいます。
③Co-creation(共創)
顧客とのどのようなやりとりが共創を可能とし、どのようにやりとりするか、これを共創プロセスマネジメントといいます。
④value-in-Context(文脈価値)
共創された価値の判断に企業は入り込めないが、判断そのものに何らかの影響を与える文脈それ自体を企業がマネジメントすることは可能です。これを文脈マネジメントといいます。
価値共創システム編成フロー

論文と事例
社会貢献活動を活用した中小企業支援の一考察―価値共創マーケティングの視点から
商工会S氏の間接支援~価値共創の視点からの地域活性化
サービス社会の到来 20世紀は工業社会でした。工業社会は大量生産の仕組みで人々の生活を物質的に豊かにしました。現在は、ICTの進展により顧客にとっての価値が共創されるサービス社会です。サービス社会では市場とは関係ない生活世界を起点とした人間中心社会の考え方が必要となっています。このような前提から中小企業支援機関の職員がおこなう小規模・中小企業への支援も変化しています。
S氏はとある商工会の職員です。S氏は経営資源に乏しい経営者や事業者にとって価値共創の活動が有益な支援策であると体得しています。価値共創のためには①Contactを意識的にマネジメントすることがポイントです。S氏の価値共創による小規模・中小企業への支援のプロセスについて紹介します。
①Contact(接点)
顧客との間にどのように(な)接点を構築するか、これを顧客接点マネジメントといいます。
人(顧客)と人(顧客)がつながる場、たとえば行政と商工会が連携して実施するオープンファクトリーや行政が小学校と連携して運営するキャリア教育応援企業等登録制度です。
②Communication(コミュニケーション)
顧客とどのように(な)相互作用的なコミュニケーションを取るか、これをコミュニケーションマネジメントといいます。
設定した場に人が集まることで写真のような双方向でのコミュニケーションが行われます。




③Co-creation(共創)
S氏はこのような人と人が出会う場、①Contact(接点) ②Communication(コミュニケーション)を地域に創造することで、自然に参加者同士がつながり、共創を開始すること、自走することを体験的に知っています。キャリア教育応援企業等登録制度とせっつキッズファクトリーの事例を見てみましょう。
キャリア教育応援企業等登録制度
(株)東洋工作所は積極的に地域活性化の活動をおこなっています。このように、地域の小規模・中小企業の経営者は学校のキャリア教育の現場で繋がり子供たちや、地域に何か貢献したいとの志をもつ方が多くいらっしゃいます。


東洋工作所はキッズファクトリーなどの社会貢献事業で知り合った事業者と交流を深めています。その活動はドラム缶などを加工、再利用したテーブルを地元サッカースタジアムに設置するなどの成果につながっています。さらに、東洋工作所の活動は2025年4月9日の日刊工業新聞にも掲載されています。これらの展開は④value-in-Context(文脈価値)を高めるためのプロセスです。
(有)ワコーメタルはキャリア教育応援企業等応援制度に登録して積極的な社会貢献事業を実施しています。同社は2024年に実施された鳥飼北小学校5年生の社会人トークに参加しました。さらに、せっつキッズファクトリー2024への参加や自社で企画した独自のイベントも実施しています。昨年、ワコーメタルは大阪府が製造業の技術力を認める制度(大阪ものづくり優良企業賞(匠)」を受賞されました。




せっつキッズファクトリー
2024年10月19日(土)に第1回目のせっつキッズファクトリー2024が実施されました。参加企業は上野鉄工、アサヒ工作所、カネタ、ワコーメタル、東洋工作所の5社でした。