価値共創マーケティングに関する研究も、その成果をどう捉えるかという課題が残っています。すなわち、価値共創によって得られた文脈価値をそのままプライシングに結び付けるか、あるいは交換価値に引き戻して考えるかということであります。とりわけ、後者の場合、文脈価値と交換価値の関係を明らかにする必要があります。今回の研究報告会では、このあたりについて実務ではどのように考えることができるかについて議論できればと考えているとの趣旨説明がありました。
報告後のディスカッションを通じて、価値共創の成否は企業の恣意性を抑え、学生や地域主体の主体性を尊重できるかにあると確認できたといえます。共創は創発的な文脈価値に支えられるのであり、短期的な思惑では持続しません。中小企業が集積する地域では、地域社会との互恵的関係が共創を促進するといえるのであり、こうした取り組みから浮かび上がるのは、マーケティングは市場取引以前の顧客の生活時空間に目を向け、文脈を読み解く必要があるということです。本研究会はその探究を、今後も深めて参りたいと存じます。
